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平和の手紙収納式

12月18日(金) 令和2年度 平和の手紙収納式が行われました。

 ①50年先の後輩へ平和のメッセージを贈ることを通して、世界の平和を祈願し、自ら何ができるかを考える機会とする。
 ②創立者の訓話を聞き、平和への願い、本校生徒への願いを再確認する。
以上のことを目的として、毎年行われています。

以前は「古切手収納式」として行われていました。学校に送られてきた古切手を生徒たちが選別して保管し、良い時期に換金して、世界平和に役立てようという願のもと続けられていました。しかし、近年、古切手の価値が下がったため、古切手の収集・選別は止めることとなりました。
しかし、創立者のもうひとつの願いであった平和の手紙運動の部分「50年先に、この母なる学び舎集まって、自分たちの手で整理した古切手の袋を自分たちの手で開封してもらい、その手紙運動の意味と願いを50年先の後輩たちに語り伝えてほしい」については残したいと思い、「平和の手紙収納式」として現在も実施しています。

開式前に平成8年、創立者田沢康三郎先生の最後の古切手収納式での訓話を全員で聞き、その後、収納式となりました。祝詞奏上の後、3年生代表の木戸まつみさんが50年後の後輩たちへあてたメッセージを読み上げました。

 

「平和の手紙」
 95期生のみなさん、そして68歳の私、こんにちは。95期生の皆さん初めまして。私は45期生の木戸まつみです。在学中は、静修寮寮長、規律委員長、応援団長をやっていました。規律委員、応援団はしっかり活動していますか。規律委員を先頭に松風塾が礼節日本一で有名になっていることを願っています。松風塾応援団は1期生のときからある組織です。今も続いていたらとても嬉しいです。日々の練習を大切に、たくさんの人を応援できる人になってください。私たち45期生が3年生のときは、全校生徒26人ととても少ない人数でした。私たちが卒業した後も少なくなっているかもしれませんが、今は何人くらいでしょうか。入りたくても入れない、そんな松風塾になっているでしょうか。みなさんにとって松風塾での生活はどのようなものでしょうか。今もスマホ、恋愛は禁止。TVは土日のみ。外出はなかなかできない。こんな感じでしょうか。そしてこの部分だけを切り取り、「つらい」とみなさんは思っているでしょうか。確かに松風塾での生活は大変です。他の高校と比べたとき、色々なことが制限されます。先輩や後輩と24時間一緒に生活するのは楽しいですが疲れてしまうときもあります。毎日やることがたくさんで、時間も制限されているためなかなか勉強もできません。でも、松風塾ではそれ以上に得られるものがあります。寮生活を通して人とのつき合い方、生活の知恵が学べます。スマホやTVがない分、本をよく読むようになります。私も中学校までは全く本を読んでいませんでしたが、本に興味が出て少しずつ読むようになりました。また、自分を見つめる時間が増えます。それに各行事では、例えば稲作実習を通して毎日の食事のありがたさを実感したり、皇居勤労奉仕を通して日本の文化、GLEや修学旅行を通して、世界の文化やマナー、日本との違いを発見することができます。松風塾は自分次第でどこまでも成長できる場所です。みなさんもせっかく松風塾に入ったのですから、勉強はもちろん大切ですが、その他のことにもどんどんチャレンジし、小さなことから少しずつ自分を成長させていってください。3年間、この場所で、この環境で、”全力で楽しんでやる”そう思って生活してほしいです。そうすれば必ず大きく成長できます。みなさんのことを応援しています。
 また、みなさんも毎月行っているであろう平和一食運動。これは創立者の田沢康三郎先生がお考えになった、いつでも、どこでも、だれでも、いつまでもできる平和運動です。私は食べることが大好きなので朝の一食を抜くのはつらいことですが、その分、世界でご飯が食べられずに苦しんでいる人達のことをよく考えるようになりました。本当に、毎日のご飯が食べられる私たちは幸せなんだなと実感させられます。みなさんもお腹が空いて大変ではありますが世界が平和になるために、自分にできることを少しでも考えてください。また、当たり前のように生活している日常がありがたいと思って一日一日を大切にしてください。みなさんの頑張りで、少しでも世界が平和になりますように。

 令和2年12月18日
   第45期修業生 木戸 まつみ
      (本人の了承を得て掲載しています。転載不可)

 

投稿日: 2021年2月7日